copepodaのブログ

観劇、スカステ、DVDなどの感想をつづる。

星組:こうもり/THE ENTERTAINER②

ショースペクタクルTHE ENTERTAINER 。

評判通り、北翔さん出ずっぱりのすごいショー。


オープニングから(おそらく)退団までこのまま突っ走るのだろうという勢い。

最初星組のトップと聞いたときあまりしっくりこなかったのだけれど、この勢いを出すには星組の基礎代謝量と運動能力が必要かもしれない。

「ラ」とか「ホッタイ」とか、テンションがずっと高いショーが苦手な人は結構いるようだけれど、個人的にはテンション高め安定な方が好きなので、今回も好きな類のショー。

前述の二つも大好き。でも一番好きなのは「コンガ」「MY DREAM TAKARAZUKA」あたり。今回はその二つに近い?


宝塚のショーにつきものの寸劇が実は大嫌い(ただしMr.Uは除く)。「フェニックス」の寸劇は見ててむかつくレベル。半分に縮めてサラマンダー増やせ、という感じ。

今回の「みっちゃん」は何度もいうけれど、本当に最高。いかにも、なわざとらしいダサい恰好をあそこまで着こなすジャンヌってのもそうそういないのでは?タカスぺとか面白いけどわざとらしさも抜けきっていないし。

どこかのブログで読んだ「北翔海莉は米俵を背負って黒燕尾を着ていても様になる」という意見に激しく同意。宝塚伝統の品をきちんと消化・吸収して自分に合った形で身に着けているのだなと実感。良質な栄養を生かしてこそ生まれた良質な個性。

件の「みっちゃん」。爺さんのコスプレが特にすごい。無理に作った声じゃないので非常に自然。赤ん坊はさすがにちょっと猟奇的。大人の顔に小さい体のバランスはさすがに怖い…。山岸涼子の漫画に出てきそう。


当然そんなトップの相手役は非常に荷が重いと考えられるものの、風ちゃん、あんた最高だよ。容姿のことを叩くやつもいるけれど、後ろだろうと横だろうと斜めだろうと正面だろうと、どこを向いていても頭のてっぺんから指先、足元まですごくきれいだと思う。

一切気を抜いていないのか、あるいは自然と身についているのか。

声の質もきれいで、人に聴かせるための歌が歌える稀有な娘役。


うん、二人とも早く外部で活躍した方がいいかもね。

どっちも単体で客呼べるっしょ。


なにはともあれ、来週と再来週に2回目、3回目の観劇が控えているのでこれくらいにしておこう。

自分の思い込みによる先入観が一番観劇の邪魔だし。


星組:こうもり/THE ENTERTAINER①

最高。

コメディ劇にもかかわらず、歌のうまさで感動してちょろっと涙にじむレベル。
次回作で退団という事実も手伝ってのものではあると思うけれど。

前回の「ガイズ&ドールズ」同様に古い海外作品の輸入物ではあるけれど、ガイズの中途半端な古さと違い完全に昔の物語として見られるのが良かった。

ガイズは2回見たけれど、正直、しつこい場面が多くて騒がしい割にはダラダラ単調で、眠気を催す作品だった。とはいえ、北翔さんによる「まじめな賭博」は独特で、チンピラがギャーギャー騒いでいる中に登場されると場が引き締まるというか、眠気は吹っ飛びましたが。


今回の「こうもり」も前回同様騒がしい舞台で、もともとエネルギッシュな組な上に初舞台生で人数が増えているためか声が大きすぎてコーラスが聞き取りにくい場面があるけれど、みんなで舞台を盛り上げるという目標に向かっている感じですごく良い。


冒頭の酔っ払いシーンが全然わざとらしくないことにびっくり。どうしても「面白い場面ですよぉ」という感じになりがちな酔っ払い役を本当の笑いに変えられる人は、実は少ないと思う。(北翔さんですよ)

予備知識なしで観に行ったけれど、セリフのあちこちにさりげなく伏線が這ってあり、引っかからないにも関わらず印象には残っていて後でつながるのが見事。

本来劇って初見で気楽に見ていても理解できるように作るべきで、そういう意味でお手本的な作品および仕上がりだと考えられる。


美稀さんの酔っ払い看守最高。出しゃばりすぎず、場面の切り替えが必要な時には最小限かつ効果的なちょっかいで自然とメリハリをつけて笑いをとっててステキです!

間違いなく見どころの一つ。


気になる点は下記のとおり

①良くも悪くもトップコンビの実力が突出しすぎで、退団後は一時的に技量がガクッと下がってしまいそうなのが心配なところ…。

②海ちゃんの扱い、壱条さん、天寿さんの扱い。せつないぜ!

③次の娘誰よ。


つづく


宙組:王家に捧ぐ歌(博多座)②

つづき


今回もファラオとアモナスロはおなじみ、専科のお二人。

そんなに良い席ではなかったけれど、大劇場に比べるとずっと舞台に近いので、ファラオも「どうしたラダメス?言え?」をガン見できて幸せでした。

ファラオ、めっちゃかわいい。


セリフがちょこちょこっと変わっていて、エチオピア殲滅後のアモナスロ王の狂気がより鮮明に表現されていてよかった。

が、アモナスロ王のセリフで割と恥ずかしい誤植があるのでが、そこは手付かずだったのが悔やまれてならない。次に再演するときには、何よりもその個所を直していただきたい。


そして王家のフィナーレの楽しさは異常。

大劇場では「エジプト」だった「スゴツヨ」が「アフリカはステキ」に変わっていて、こんな改変なら納得という歌詞に。個人的には「アフリカはステキ、すごく、ステキ」にすれば、もっと収まりがよかった気がする。


アムネリス、ずんちゃんがやれば良かったんでないの?と思いつき。


文句ばっかり垂れ流してはきたものの、まぁ様の「見くびっているのかぁ!」はパワーアップし、もんち氏・せーこさんの美声をたくさん聴け、みりおんのナンバーを堪能し、理旺たんが活躍し、ファラオの笑顔を脳裏に焼き付け、ぶっちゃけめっちゃ満足ですけどね。


宙組大好き。