copepodaのブログ

観劇、スカステ、DVDなどの感想をつづる。

月組:エリザベート

千秋楽も終わっていて、今更感はあるが観劇したので一応記しておく。


言わずと知れた「エリザベート」。そしてトップ娘役の退団となった今回もチケット難だったと聞く。
平日A席が友の会で当たったため、観劇。偶然ながら、瀬奈じゅんさんの観劇と同じ回であったが、2階席なので特に関係はなかった。


全体的な感想としては、あ、エリザベートだね。


再演回数の割に観劇回数は少ないとは思うが、いかんせん、聴きすぎ、映像見過ぎで、よく言えば安心感、悪く言えば今更感が強く、印象に残るシーンがないのが正直なところ。
破綻もなければ驚きもなく、組が若いなというエネルギーはあるけれど、トータルでバラバラというか、みながそれぞれ自分の思うところの「エリザベート」をやっていて、調和が感じられなかったのが残念。それは今回の方針?


●たまトート
プロレスラー。黄泉の帝王なのに生命力に満ち溢れすぎぃぃ。
帝劇のトートも大概なので許容範囲内ではあるが、どうせ溢れてるならバッディのビジュアルで短髪トートにしてほしかった。
あと赤いスカーフみたいの巻いてるお衣装、2階席から見ると学ランの下にパーカー着てる高校生みたいで、普通にかわいかったぜ。


●ちゃぴシシィ。
生命力に満ち溢れ、気の強さが前面に出てて死の気配はねぇな。
少女時代のお衣装(特にお見合いの席の水色のドレス)や三色旗、「私が踊るとき」のドレスはさすがの着こなしだったが、鏡の間のドレスがいまいち似合っていないように感じた。小顔過ぎて髪が浮いているというか…。
「エリザベート」において鏡の間での圧倒的な美貌は、不可欠な要素ではなかったのか?
少なくともこの作品のこの場面では、お衣装の責任者なりが付いて全身のバランスをきっちりととるべきではないかと思う。とっていてあれなら、もう何も言うな。


●美弥フランツ
ハプスブルグって顎が特徴的だから、史実には近いのかも。
あんな色気駄々洩れフランツなら、マダム呼ばなくてもより取り見取りであろう。


●月城ルキーニ
かわいい。


●暁ルドルフ
なんか元気に転がってた。


●海乃嬢
シシィとガチンコ。本気の争いは外でやってくれ。


とりあえず「エリザベート」を、なぞってはいた。でも作品として昇華しているとは言えない気がした。
今の月組はエネルギーがあって、がむしゃらに前に進んでいくべき組だと思うので、
それを押しつぶすような作品を、今あえて行う必要があったのだろうか。。
「抑える」という技術が演劇において重要であることは、どんな素人であっても理解できる。
しかし、組として発展途上の時期に、個性を発揮して固めていく時期に、ある程度テンプレートに押し込まなければならないような作品はふさわしいのだろうか?


タカラジェンヌにとってあこがれの作品であること、放っておいても集客が見込めるドル箱であること、長らくトップ娘役を務めてきたちゃぴの退団には何らかの拍付けが必要であったこと、など、事情は分かる。
でも、今の月組でやるなら、たまきちは長期だろうから、もう少し円熟期に観たかったでござる。


以上。