copepodaのブログ

観劇、スカステ、DVDなどの感想をつづる。

花組:蘭陵王

縁があって観劇。
発表時はあまり興味なかったのだが、見てみたところ、意外と面白かったので記す。


ストーリーをかいつまむと、
美しすぎるがゆえに、そのご尊顔を拝見するだけで兵士の士気が敵味方関係なく下がってしまうため、戦場に仮面をつけて乗り込む知将・蘭陵王の伝説にジルベール要素をふんだんにまぶした一品。
大人になっても生きる力に満ち溢れたジルベールである。


庄屋に始まり、山賊、次はこの兵隊たちか~、と冷静に受け入れるストライクゾーンの広を披露することで観客を戦慄させたカチャ様からのキムシンロックにより
「ああ、いつものキムシンだ」と安堵させるオープニング。
さらに続いて、瀬戸アニキが初のお姐で登場。完全にKABAちゃんでしたわ。
しかしながら、お姐であっても娘役を従えて出てくるのが似合いすぎる安定のアニキ。
さすがアニキ。
そんなアニキは愛人(男)を連れているものの、カチャ様に興味深々。


色々あって戦場で功績をあげたカチャ様は皇帝から領地と20名の美女を賜ることに。
しかしながら、どの女もいらぬ!と断るため、
「あいつ男好きなんだぜ」と陰口叩かれるも、音くり氏演じる洛妃ただ一人を賜ることに。
その洛妃はどうやら敵国のスパイで暗殺者とのことだが、カチャ様の命を狙う狙うといいながら特に狙うことはなく、結構親密になるお二人。
その後、洛妃のアイデアでカチャ様は戦場で仮面を被るのだが、
仮面のデザインよりもロデオボーイに衝撃。


美しすぎたり功績を上げたり、
色々あって周囲の人に妬まれたカチャ様、実に簡単に策略にはまり処刑されることに。
キムシン先生なので処刑で終わりかー、と思っていると、まさかの
「死ぬのやーめた」で、洛妃と逃亡するカチャ様!


結構びっくりしましたね、これ。絶対死んで、ついでに洛妃も死後の世界で
ラブフォーエバーで終わりかと思ってたからね。
しかも逃亡後「ハー」「アー」の二言だけでいちゃつくお二人という、
さっきまで主従関係なのかストイックなのかよくわからないが、めっちゃ余所余所しかったはずなのにと何度目かの愕然。


もう一つびっくりしたのは、ストーリーテラーとして要所要所で現れる専科の京三紗さま。
よく通る声で、端的に背景を解説し、要所要所をきっちりと絞める雰囲気はさすが、
というところだが最後に一言
「人の嫌がることはやらない(ことが大切?)」と。


そういう話だったのか!?
と意識を張り巡らせている間にフィナーレの運びとなる。


一見文句をかいているように感じるかもしれないが、割とというか、結構よかった。
演者の技術に破綻がないこと、さまざまなイリュージョンを仕掛けてくる脚本、
ふざけた(ような)音楽に載せた男役群舞、個性的でありながらも品のあるお衣装など、
割とというか、キムシン作品大好き。