copepodaのブログ

観劇、スカステ、DVDなどの感想をつづる。

月組:鳳凰伝/CRYSTAL TAKARAZUKA①

八王子にて観劇。
3階席なので主要キャラ以外の見分けはつかない。


とにかく、たまきちの体格が男前。
そして安定のファラオ。今回もいい王様。


何の予備知識も持たずに見たが、個人的に男に恨みを持つ美貌の姫・トゥーランドットが、自分への求婚者相手に問題を出し、答えられなかったら死刑、という
残酷版かぐや姫。
そういうわけで首切り役人が大活躍。
そんだけ人殺しといて「愛に目覚めた、あたい!」でハッピーエンドなのは
原作もそうなので疑問に思ってはいけない。
(別にキムシンだからトンチキ落ちだったわけではないことにはびっくり。)


見どころはいくつかある。
まず、いつもながら月組の身体能力の高さ。やっぱり動きが大きく見える。
つまり、見やすい。


月城かなと氏の可愛さ炸裂。
ちょっとニヒルな若者を、イケメンロン毛(外はね)で好演していたが、
「舞音」のクオンたまきちと同様、悪ぶってみた若者感も半端ない。
だがそこがかわいい。
多数のチンピラ相手に立ち回るシーンはなかなかの見もの。殴ってる感じに迫力あり。
可愛さと強さのせめぎあいという特殊な立ち位置にいる不思議なお方。
中国物に多い、四方からの矢を受けて倒れるシーンも迫力あった。


ファラオお付きの奴隷女子タマル 海乃美月。
トゥーランドットの冷たい心が溶け出すきっかけを作る大切な役どころ。
盗賊に襲われかけたところ、偶然カラフの助けられ一目ぼれした他国の姫・アデルマが
カラフに手ひどく振られ(お前じゃない!と何回も言われる不憫さ)、嫉妬に狂ってカラフを陥れようと大奮闘!
(背景:トゥーランドットの謎をあっという間に説いたカラフは、自分の名を夜明けまでに知ることができたら死んでやるよ!という取引をしていたことから、アデルマ一味はカラフの名を知っていそうな人物・ファラオとタマルを拉致って拷問する)


白塗りの首切り役人に鞭うたれることで、美月氏の色っぽさが炸裂!
なかなか答えないタマルにしびれを切らし、アデルマが鞭を奪い叩きつける!
みんなドン引き!


色々あってようやくカラフ登場。どういうことなの…?と状況を把握できずにいると
アデルマ「すべてあなた様をお慕いしているが故…」と言い訳を始める。
すると今まで打たれっぱなしだったタマルが
「何がお慕いだ、クソ女が!本当の愛とは…全員おれの生きざまを見ろ!」
とナイフで己の首元を刺し、トゥーランドットに
「おい、そこの女!貴様も俺の愛を聴け!」と説教をして
絶命。
カラフもファラオもトゥーランドットもその父王もびっくり。
とりえず、アデルマは追放され、タマルは丁重に弔われることに。


色々あって
トゥーランドット「愛に目覚めた、あたい!」でハッピーエンド。


話はすごいめっちゃくちゃ。
でもそこがいい。
とはいえ、王家やドン・カルロスみたいに印象に残る曲がなかったのは残念。
なんか月娘の勢いがめっちゃ怖かった(いい意味で)。


あと、トゥーランドットはタイトルロール的なヒロインでもあるのに、タマルの凄まじさに比べるとちょっと地味。
衣装は派手なのに地味。


不思議な現象である。