copepodaのブログ

観劇、スカステ、DVDなどの感想をつづる。

花組:雪華抄/金色の砂漠③

観劇の習慣がついてからギイほどクズな主人公は見たことがない。


だが、クズなのに貧弱なところが山岸涼子作品っぽくて好き。
幼少期に女子に吹っ飛ばされ、
青年期は踏みつけられ、
ケガしていたとはいえ圧倒的腕力の無さを突き付けられ、
手負いの王にも楽には勝てず、
最後の最後にも死にかけの女子に突き飛ばされ、
特に働きもせず、
姫にとりあえずくっついている。
サウイフモノニ、ワタシハナリタイ、のか!?
前評判通り、いえ、評判以上にこじらせすぎ。でも、そこがいい!


安定した歌声で始まったので、性格は歪んでいても落ち着いた雰囲気なのかと思いきや、最初から最後まで、感情がアップダウンしていない瞬間がないギイ様でした。
家庭血圧がとっても高そう。


タルハーミネ花乃ちゃん。本当にお疲れ様。
姫様も気性が荒いどころか、やっぱ歪んでいるでしょう。でもそんな歪みも美しく見える誇り高さ。お見事でした。
アラビア風のお衣装と後ろまで丁寧にカールさせた髪型が良く似合ってて、少女時代から王女まで、年代をしっかりと演じ分けてて見やすかった。
声の高さも少しずつ変えていたのかな?
声質は一緒なのだけれど、各年代の号泣・絶叫の演じ分けがどの場面にもはまっていて、それぞれの年代だからこそ持つ感情を表現とかそんなん感じ。
子供への興味はあんまりなさそうなので、子供は妹に引き取ってもらえて幸せかもしれない。
今更あれだけど、ガタイ的にはまぁ様の後妻が良かったんじゃないのかなぁ。


そういえば、サヨナラショーでは、リフトの乗り方がうまくなってたね。
色々と大変なものをしょい込んでしまって辛かっただろうけれど、今回の公演は本当に良かったよ!





花組:雪華抄/金色の砂漠②

千秋楽ということで、最近はお決まりのライブビューイングに。


雪華抄の扇が中継だと反射してしまって見づらい場面もあったのだが、画面を通してみると受け取る印象も違ってきて、今回も楽しめた。


画面を通してみた方がよく感じたところ筆頭が、猛禽みりお君の着物の柄。
舞台で見ると凝りすぎてて柄が埋もれてしまっているというか、あんまり目立っていなかったのだが、画面に映すと猛禽カレーちゃんの着物の柄と調和がとれていて、一つの世界観になっているように見えた。
その他、
鷲の手下たちもキレッキレ。
瀬戸のアニキの色気が倍増。
清姫花乃ちゃんのドSな視線を拝受。
タソの素敵な笑顔に癒され。緑系の着物が癒しを倍増。
など。
本当に今回の公演は良作に恵まれたと思うし、良作であるということに寄りかからず、日々ブラッシュアップさせていった花組最高ー!


「金色の砂漠」
時系列がめちゃくちゃになってしまうが、「桜華に舞え」紅さんの「恥を知らんかー!」に引き続き、ラストにナイス絶叫を2つももらえて大満足。
花乃ちゃんの「愛しているわ!お前なんかを!」と、キキちゃんの「兄さぁーん!」だ。
本当にナイス絶叫。
あれで何もかもが吹き飛ぶわ、本当に。


王族に異性の奴隷を、というのは不自然は竹宮恵子の漫画にありそうな設定。
つまりは70年代、少女漫画黄金期のような。耽美じゃないわけがない世界観。
その不自然さに最後まで染まれなかったテオドロス公。
ただの嫌な奴にしてしまうこともできただろうけれど、決められた結婚であろうと結婚するのならば仲良くやっていこうと、タルハーミネにずっと呼びかけ、入り婿状態で7年間耐えに耐えていたことが読み取れた。
最後の「あなた!」とか言われても、「勝手にしろ」と思うだろうよ。
ついでに、イスファンはガリアに攻められて亡くなってしまうだろうな、という予感。


ジャハンギール、超かっけー。
ライオンキング宝塚版やるなら主役はあんただ。
ついでに回想のジャハンギールもかっけー。下級生か?なんか渋くなりそうな子。


ジャハンギールがギイを処刑しようとしなかったのは、王妃との約束もあるからなのか?
とすると、娘ちょっと可哀そうなのだが。


つづく







花組:雪華抄/金色の砂漠①

やっぱり脚本・演出は重要だね!
みりお君就任後の花組で一番良い!っていうか、短い観劇歴の中ではあるが、好きな作品の上位に入りそう。。。


雪華抄
あの「グスタフⅢ世」と同じ脚本家とは思えないぜ(グスタフは地味に好きだけどね。天玲祭りで。)
和物のショーなので眠くなることも覚悟していたが、静と動のメリハリがきいてて、それも単純に繰り返しているだけではなく、見応え十分だった。
幕が開いて大人数が扇開いて登場するのは圧巻。着物の模様が全体的に大きめなのが目を引いた。成人式の振袖みたいな細かい模様で並ばれると、目が泳いでしまうのだが、大きな模様で調和がとれてて、左右に大きく揺れても動きを追いやすくて見やすい。
もう完全に花嵐。キラキラしてるだけでなくて艶やかね。なんかプルルンしとった。


続く松本悠里先生のソロも美しすぎる。
涼しげな表情で舞っておられるのですが、手を動かす動作でぐわっと空間が動くというかなんというか、存在が大きい。
でも、近くで見ても衣擦れの音とかしないんじゃないかというような、滑らかな動きで、ミステリアス。


猛禽カレー、超イケメン。
この場面はみりお君の衣装がいまいちだったのだが、猛禽の迫力があった。
よくもまぁ、その優しげな顔からオラオラオーラが出るものだ、と。やっぱりこの人はこういう役が良く似合うと思う。笑顔でのび太をディスる出木杉君みたいな。


七夕の若衆で鳳月杏ちゃんの美声を認識。
前の人に被ってしまって銀橋が全然見えなかったのだが、異常に心地良い声が響いていたので、後でプログラム確認。非常にええ声だね!
ええ声に続く織姫と彦星は、静かな曲調ながら糸巻きを効果的に使った演出で幻想的。
猛禽と若衆で一旦上がった場面をクールダウン。


娘役の集団が出てくると、もう瀬戸のアニキが登場する予感しかしないと思ったら、やっぱり出てきた。すぐに場面が切り替わって群舞になったので男ソロの時間は短いものの、大人な雰囲気が炸裂。
動きの大きさや曲調だけじゃなくて、演者の持ち味によってつける緩急もありなんだな、と勉強になった。(多くのショーで普通に行われているんだろうけれど、なんでかわからないが新鮮な感じだった)


清姫奇譚は少々消化不良。蛇に変わった清姫に、もう少し獰猛な表情が欲しかったけど、花乃ちゃんがそんな迫力ある蛇やっちゃったら、アンチが大騒ぎだものねぇ。。。
でも、できればもうちょっと激しさが欲しい。
炎の精、雪の精はいつもながら見事。カリスタも大いに駄作だったけれど、火あぶりの時の火は綺麗で、印象に残っている。花組の娘さんたちは、無生物の抽象的な表現がうまいのかな?
紅天女の試験があったら、北〇マヤに勝てるぜ、きっと。


そんなこんなで、あっという間にフィナーレ。
え、もう終わりって感じ。フィナーレも松本悠里先生を筆頭に、春爛漫。
座席が絶好のカレーちゃんポイントだったので集中的に見させていただいたが、ニヤリがたまらぬ。
ムラで道歩いてた時、ふと振り返ったら後ろにファンクラブの方々引き連れたカレーちゃんがいたのでびっくりして、「ぴぃっ」みたいなキモイ声挙げてジャンピンで横に飛んでよけてしまって以降、カレーちゃんが気になって仕方がない。
あの時もニヤリされた気がする。いや、きっとされてるはず。されていると信じている。


が、一人ばっかり追いかけるのももったいないので、上手側あちこちじっくりと見させてもらったよ!上手側の中央よりにいた子が、ちょっと壮さんぽくてガン見してしまった。
誰なのかまでは認識できなかったのが残念なのだが、そうかルサンク買えばいいのか…。


つづく。次は、みりお君、キキちゃんの魅力炸裂の「金色の砂漠」について。
想像以上にギイがクズで、もうたまらない!