copepodaのブログ

観劇、スカステ、DVDなどの感想をつづる。

月組:グランドホテル/カルーセル輪舞曲②

ダブルヒロイン故に少々中だるみも感じられなくはなかったものの、
ポールを使った場面の切り替わりとたまきち氏、美弥さまのステップ、
バックの群舞は見応えあり。


余命いくばくもない(はずの)オットーが短い人生に希望が出てくる様子を
ダンスできない→軽やかになっていくことで見事に表現。
基本猫背は変わっていないのだけれど、雰囲気が急激に明るくなってくる感じが
見ていて楽しかった。
お金があるっていいよね!
浮かれて酔っぱらってしまい、男爵に財布を取られたことに気が付いていても
「預かっていてもらったんでしたね」と言い聞かせ、
むしろ感謝するいう優等生的ないじめられっ子っぷり。
しかしながら、良心の呵責に耐えられない普通の人にとって、
オットーみたいな人って最強じゃね?
意外と長生きしそうだし。か細く、長く…。


物語を見事に締めくくるいやらしい社長を、世界の彼氏ことみつる氏が好演。
電車で隣に座ってきたらぶん殴りたくなる成金っぷりだったわー。
イケメンなのに。


今回で組替えとなるあーさは爽やかベルボーイ。
働く若いお父さんとしての落ち着きが出ていて、唯一、現実をしっかりと生きている。
それとは逆の、中性的というかあの不思議な人物の役替わりも見てみたかったな。
果たして雪組でそのように変化を遂げるのか。。。
月城氏とは持ち味が違うけど、結構和物似合いそうで楽しみ。


たまきち氏の体格ではとても死にそうな病人には見えないからこその改変であったとも
考えられる「グランドホテル」。
先代は割と好きなOGの久世さん。
ビデヲで入手した「CAN-CAN」の判事役が渋かったな。
黒髪スーツはかっこいいけれど、金髪が似合わないであろうところまで見事に踏襲。
なんなら再演してくれ。


男爵が死んだことを知らずにロビーで待ち続け、
駅で待っているはずと自分に言い聞かせてホテルを後にしたグルーシンスカヤ。
男爵と過ごした時間、過ごせなかった時間は、彼女の踊りにどんな作用をもたらすのか。


人生はここ(グランドホテル)にはない、を表現した終わり方だと思う。


何はともあれ、オープニングからエンディングまで逞しき背中と美しく背中で
場をキリリと占めてくれたトップコンビでした。
というわけで、良い改変でございました。


しかし、「PUCK」の森のチンピラが、見事に大人の階段をのぼられたのだなぁ。。