copepodaのブログ

観劇、スカステ、DVDなどの感想をつづる。

月組:All for One

イケコ脚本ということであまり期待せずに観劇したものの、思いがけず面白かった。


剣をもった群舞から始まり、剣の稽古、酒場と、非常に男くさい場面が多い。
デニムでみんな揃いのお衣装が普通にかっこいいし、主要人物たちのキャラ設定がしっかりと決まっていてその雰囲気が醸し出されているので、顔隠しててもシルエットでも埋もれない。(原作でしっかりとイメージが出来上がっているからかもしれないが)


なんとなく、駄作・るろ剣と同じ演出、流れじゃね?ジェラール邸?
って感じの部分も多いのだが、ちょっとベクトルずらしてコメディ調を強くすると、やはり飽きない。
るろ剣は原作の人誅編と作者も嫌っている星霜編のイメージだったのか?
こんな感じで作ってくれてよかったのに…、決めるとこさえ決めれば…。



今回の作品はかなりの場面が印象に残る。
懺悔室でのアラミスとダルタニアンのやり取りで、Graphで本人たちも気合いが入っている場面と語っている場面。
「誰に惚れたんだ?」「国王陛下だ!」「…男か。そっちの方面は専門外だ!」
やりとりのテンポの良さは、なんか非常に引き込まれる。


2幕後半、ルイのソロ。
今までギリギリの綱渡りで男の王を演じてきたルイが、ダルタニアンにあって女性としての自分を自覚して、ついにプッツンしてしまった時のソロ。
もう、ダルタニアンに会えて良かった!もう少しの辛抱だよ!
と、言ってあげたくなるくらい切実。
初々しさはなくなりつつあるが、本当に良い娘役だぜ。


トシさんのひげ。
ひげ初めて、だと…?もう身体の一部になってるじゃない。似合いすぎじゃない。
内心バクバクだったらしいが、顔色変えずに、チャンチャンチャンとなぎ倒していく姿は実に優雅。
ディナーショー、超見たい。


蒼紫様再び。
しかも弱い。情弱っぷりも蒼紫様を踏襲。
美しくて清潔感あるアホって大好き。


銃士隊の中の、オールバックでロン毛の客席から見て、オープニングでトシさんの後ろ、右の方にいた下級生が気になって仕方がない。
ちょっと、まっつさんぽい顔で、渋い役いけそうな感じの。


イケコなので1幕は若干間延びというかダラっと感が否めないが、2幕の巻きっぷりですべて回収。気が付けば色々な生徒に見せ場があるのは相変わらず。


宙組みたいなキレイなピラミッドもいいけど、みなで作り上げる系の雰囲気も大好き。
上級生二人の技巧者たち、やっぱ半端ねぇ。


若いダルタニアンと、されを支える三銃士の構図と被って、すとーんと腑に落ちる作品だった。


で、次のイケコは「ポーの一族」か…。
不安要素しか感じねぇ!
みりお君のビジュアル、美しいけど、あれはエドガーじゃなくてジルベールや。
萩尾望都原作で花組なら、ポーより「トーマの心臓」やってほしかった。
小柳先生で。
トーマ:みりお、ユーリ:かれーちゃん、オスカー:世界の彼氏とか。