copepodaのブログ

観劇、スカステ、DVDなどの感想をつづる。

星組:霧深きエルベのほとり

最近文句ばっかりなので称賛する。


久々の星組観劇。
7列目の端ということで、客席降りへの期待が止まらない。冬の日の午後。


古き良き菊田作品を、ウエクミ先生が潤色というだけでね、もうね。


船乗りと令嬢の身分差の恋、というありふれたテーマといえばそうなのだが、


紅さんのカールが、アホなのかと見せて男気あって、さりげなく優しいっていうね。
マルギットが自分のことを恥じていることに、本人よりも感じ取っていて、
自分が道化になることで、結果的にはマルギットを立てる形で身を引く。


あーちゃんマルギット、キンキン声で、おっふという感じだったんだけど、
この作品の中で見てると気にならないわけですよ。
むしろキンキンでなければ駄目だ。
無邪気ぶって、無垢ぶって、自己アピールに余念がない(あたしそんなこと思てなぁい)
ともすれば、きれいなお飾りで終わってしまう令嬢役の人間味って
結構こういうとこに現れると思う。


マルギットの許嫁で貴族のフロリアン。
人間出来すぎてて、こいつ、いつ裏切るの?さぁ、今だ。
みたいな瞬間いっぱいあるのに、めっちゃいいやつなの。
でも育ちの良さからくる、嫌みのない、いいやつ。
人を傷つけないように真実を語る。でも自分の意見を押し付けるのではなく、
考える要素として聞いてほしい、みたいな。
マルギット、こいつの何がそんなに気に入らないんだよぉぉ!


登場人物がみんな、自分の現実と希望、自分でも意識していなかった
自分をきちんと受けとめていて、ラストなんて想像もできるのに
心の汗があふれてきたぜ。


あと、天寿さんの冷たい目線をもらったこともご褒美であろ。


それに引き換え、「ESTRELLAS~星たち~」の盛り上がらなさ。
好きな人は好きなのかな、これ。。
何回か見たら味も出たのかも。


とはいえ、劇だけでもBD買いの価値はある、かも。。。
できればNHKBSで放送希望。