copepodaのブログ

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宙組:王家に捧ぐ歌(博多座)①

運よく福岡出張が入り、ついでに観劇。


若手の頑張りで、少ない人数でも見応えのある舞台に仕上がっていました。

最近勝手に注目している星月梨旺タンがエチオピアの歌手で「光ってやがる!」を熱唱。

ついでに、戦場の場面で殺された後、アモナスロ王が捕まるまで瞬きをせずに頑張っていました!


大劇場公演と比べて大きな違いはやはり2番手、3番手の不在。

そして今回の観劇で最も感じたことは、うらら嬢不在による薄さ。


アムネリス様は初演が檀さんということもあり、歌は比較的簡単に作られている(らしい)。

大劇場公演のころ、うらら嬢の歌がひどいひどいと噂を耳にしていたが、初演に比べればずっと安定していたし、何よりも傲慢でありながら実直で、かつ強大国家の王女(→女王)の風格と威圧感。


今回の公演ではアムネリスは彩花まり氏。

昨年の全国ツアー「メランコリック・ジゴロ」のティーナは見事にアホの子を演じきっていて、非常に素晴らしかった。が、今回はエジプト女王である。

歌がうまい娘役さんなので、その点ではよいのだけれど、特徴のある声が災いして、小学生~中学生くらいにしか見えなかった。

うらら嬢は「でかい」だの「ごつい」だの色々言われているが、アムネリスの衣装を着こなすにはあれくらいの骨格が必要であり、多少の歌のブレよりも、威圧感こそが最も重要な要素であることを確認。


また、もう一つ残念なのが、ケペル・メレルカ・ラダメスの友情が感じられなかったこと。

よく考えたら、ラダメスはケペル・メレルカが「友よ~」と熱く語っているにもかかわらず「私は孤独だったけど、あの人に出会って光射しちゃった!」とかほざいてて、割とひどい男である。

にもかかわらず、あの三人のじゃれっぷり(特にケペルの顔芸)からは濃厚な友情が感じられたが、今回はせいぜい同僚というところ。

(6/1追記:もしかしたら友情転じて憎いまで到達した演出かもしれないと後になって思う。ケペルから見たら命かけてる割には特に名誉は与えられないし職は奪われるし、上司は殺されるしで、ふぉんだりけったりだったわけで。第2幕「人々はすぐに忘れる」の時、ラダメスを見る目がマジ怒りっぽかった気がしないでもない今日この頃。そう思えば愛ちゃんの紳士ケペルもいいけどアッキーのワイルド☆ケペルもいいね!)


つづく