copepodaのブログ

観劇、スカステ、DVDなどの感想をつづる。

宙組:白鷺の城/異人たちのルネサンス①

先に言っておくと、ほぼ書くことない。


この劇団、大丈夫?まじで。


和物レビュー「白鷲の城」
感想「お?」


陰陽師・阿倍康成と玉藻の前の千年に渡る因縁とかいう前情報を知っていたはずなのに
宮廷が出てきたり真風氏がウロウロしたりしているのが過去だと気がついたのは
「ん異常が夢でございます」を聞いてからだった。


気がつくとフィナーレで、ねぶた?なぜ青森。
そして終わっていた。


不本意ながら2回観たので、1回目よりは2回目のが分かったような気もするが、
いかんせん、印象に残らない。


宝塚の和物レビューは完全な日本舞踊ではないと思うので口うるさく言う気はないが、
いわゆる所作というものだろうか?
せーこさんの動きは群を抜いてきれいだった。
群舞では松風父さん、愛ちゃんの丁寧な動き、カケルさんの軽やかさには結構目を奪われた。
そしてチチヤスこと若翔りつ氏の白塗りもガン見だぜ。
歌劇かGRAPHで和希氏が呼んでいた「チチヤス」称。ほかに使っている人はいないが、なんかツボったので、私はずっと使わせていただく。
チチヤスもでかいのに軽やかだよね。下手側、侍の群舞で最前列になるシーンがあり、
出世の瞬間を目撃した。


松本悠里先生。雪華抄ではきれいだったのに、今回はペッパー君?
動きが人形ぽいというか「ギギギ…ビタミン剤や」みたいで、これは演出なのか
失礼ながら体力の限界なのかの区別がつかない。


陰陽師ということで五芒星がスクリーンに大きく映しだされること多数。
なぜ真風氏主演の作品では、微妙な映像の大写しが多用されるのか。


そんなこと考えてたら終わってた。
あと、りく君の白塗かっこよかった。
それくらい。


つづく

花組:蘭陵王

縁があって観劇。
発表時はあまり興味なかったのだが、見てみたところ、意外と面白かったので記す。


ストーリーをかいつまむと、
美しすぎるがゆえに、そのご尊顔を拝見するだけで兵士の士気が敵味方関係なく下がってしまうため、戦場に仮面をつけて乗り込む知将・蘭陵王の伝説にジルベール要素をふんだんにまぶした一品。
大人になっても生きる力に満ち溢れたジルベールである。


庄屋に始まり、山賊、次はこの兵隊たちか~、と冷静に受け入れるストライクゾーンの広を披露することで観客を戦慄させたカチャ様からのキムシンロックにより
「ああ、いつものキムシンだ」と安堵させるオープニング。
さらに続いて、瀬戸アニキが初のお姐で登場。完全にKABAちゃんでしたわ。
しかしながら、お姐であっても娘役を従えて出てくるのが似合いすぎる安定のアニキ。
さすがアニキ。
そんなアニキは愛人(男)を連れているものの、カチャ様に興味深々。


色々あって戦場で功績をあげたカチャ様は皇帝から領地と20名の美女を賜ることに。
しかしながら、どの女もいらぬ!と断るため、
「あいつ男好きなんだぜ」と陰口叩かれるも、音くり氏演じる洛妃ただ一人を賜ることに。
その洛妃はどうやら敵国のスパイで暗殺者とのことだが、カチャ様の命を狙う狙うといいながら特に狙うことはなく、結構親密になるお二人。
その後、洛妃のアイデアでカチャ様は戦場で仮面を被るのだが、
仮面のデザインよりもロデオボーイに衝撃。


美しすぎたり功績を上げたり、
色々あって周囲の人に妬まれたカチャ様、実に簡単に策略にはまり処刑されることに。
キムシン先生なので処刑で終わりかー、と思っていると、まさかの
「死ぬのやーめた」で、洛妃と逃亡するカチャ様!


結構びっくりしましたね、これ。絶対死んで、ついでに洛妃も死後の世界で
ラブフォーエバーで終わりかと思ってたからね。
しかも逃亡後「ハー」「アー」の二言だけでいちゃつくお二人という、
さっきまで主従関係なのかストイックなのかよくわからないが、めっちゃ余所余所しかったはずなのにと何度目かの愕然。


もう一つびっくりしたのは、ストーリーテラーとして要所要所で現れる専科の京三紗さま。
よく通る声で、端的に背景を解説し、要所要所をきっちりと絞める雰囲気はさすが、
というところだが最後に一言
「人の嫌がることはやらない(ことが大切?)」と。


そういう話だったのか!?
と意識を張り巡らせている間にフィナーレの運びとなる。


一見文句をかいているように感じるかもしれないが、割とというか、結構よかった。
演者の技術に破綻がないこと、さまざまなイリュージョンを仕掛けてくる脚本、
ふざけた(ような)音楽に載せた男役群舞、個性的でありながらも品のあるお衣装など、
割とというか、キムシン作品大好き。

月組:エリザベート

千秋楽も終わっていて、今更感はあるが観劇したので一応記しておく。


言わずと知れた「エリザベート」。そしてトップ娘役の退団となった今回もチケット難だったと聞く。
平日A席が友の会で当たったため、観劇。偶然ながら、瀬奈じゅんさんの観劇と同じ回であったが、2階席なので特に関係はなかった。


全体的な感想としては、あ、エリザベートだね。


再演回数の割に観劇回数は少ないとは思うが、いかんせん、聴きすぎ、映像見過ぎで、よく言えば安心感、悪く言えば今更感が強く、印象に残るシーンがないのが正直なところ。
破綻もなければ驚きもなく、組が若いなというエネルギーはあるけれど、トータルでバラバラというか、みながそれぞれ自分の思うところの「エリザベート」をやっていて、調和が感じられなかったのが残念。それは今回の方針?


●たまトート
プロレスラー。黄泉の帝王なのに生命力に満ち溢れすぎぃぃ。
帝劇のトートも大概なので許容範囲内ではあるが、どうせ溢れてるならバッディのビジュアルで短髪トートにしてほしかった。
あと赤いスカーフみたいの巻いてるお衣装、2階席から見ると学ランの下にパーカー着てる高校生みたいで、普通にかわいかったぜ。


●ちゃぴシシィ。
生命力に満ち溢れ、気の強さが前面に出てて死の気配はねぇな。
少女時代のお衣装(特にお見合いの席の水色のドレス)や三色旗、「私が踊るとき」のドレスはさすがの着こなしだったが、鏡の間のドレスがいまいち似合っていないように感じた。小顔過ぎて髪が浮いているというか…。
「エリザベート」において鏡の間での圧倒的な美貌は、不可欠な要素ではなかったのか?
少なくともこの作品のこの場面では、お衣装の責任者なりが付いて全身のバランスをきっちりととるべきではないかと思う。とっていてあれなら、もう何も言うな。


●美弥フランツ
ハプスブルグって顎が特徴的だから、史実には近いのかも。
あんな色気駄々洩れフランツなら、マダム呼ばなくてもより取り見取りであろう。


●月城ルキーニ
かわいい。


●暁ルドルフ
なんか元気に転がってた。


●海乃嬢
シシィとガチンコ。本気の争いは外でやってくれ。


とりあえず「エリザベート」を、なぞってはいた。でも作品として昇華しているとは言えない気がした。
今の月組はエネルギーがあって、がむしゃらに前に進んでいくべき組だと思うので、
それを押しつぶすような作品を、今あえて行う必要があったのだろうか。。
「抑える」という技術が演劇において重要であることは、どんな素人であっても理解できる。
しかし、組として発展途上の時期に、個性を発揮して固めていく時期に、ある程度テンプレートに押し込まなければならないような作品はふさわしいのだろうか?


タカラジェンヌにとってあこがれの作品であること、放っておいても集客が見込めるドル箱であること、長らくトップ娘役を務めてきたちゃぴの退団には何らかの拍付けが必要であったこと、など、事情は分かる。
でも、今の月組でやるなら、たまきちは長期だろうから、もう少し円熟期に観たかったでござる。


以上。