copepodaのブログ

観劇、スカステ、DVDなどの感想をつづる。

宙組:エリザベート①

どうせ東京公演はチケット取れないと思い、宝塚大劇場に遠征。
遠征しただけの甲斐があったエリザベート。。。


①シシィ
みりおんの演技力と歌唱力は語る必要もないが語らずにいられない。
みりおんは庶民的というか、そんな感じで、実際に発表の段階でも「公務を忠実に果たしそう」感があったのだけれど、それを逆手にとったシシィ像が出来上がっていた気がする。
持ち前の親しみやすさが少女時代に全面に出ていて、そこから少しずつ他人に対して心を閉ざしてしまい、どんどん引き返せなくなっていくように見えた。本来は人懐っこかったシシィが深めていった孤独感が逆に民衆を惹き付ける皇后に変貌していくようで、鏡の間と戴冠式、美しすぎでしたわよ!!!
安定の「私だけに」。安定して聴けるだけでもすごい。
この歌は歌詞を見ると、とんでもないバカ皇后なんだけど、少女の声から大人の声に変わっていくことでシシィが自分なりにその世界で生きる道を探す決意をしたことが感じられた!みりおんの逞しさが垣間見えたよ!


過去のエリザは映像でしか見たことないので比較はできないけれど、みりおんシシィはルキーニに刺される瞬間まで、本当に自分の道は自分で選んでいた。
史実上はそれが良かったかよくなかったかは分からないけれど、政治的には器用なくせにプライベートでは不器用で、本当に生きにくい人だったろうなぁ。周りも迷惑だったろうなぁ。


②トート閣下
黒髪最高じゃないの。
本当にジャック・バルバロッサ・バンコランだわ、これ。(バンコランはめっちゃかっこいいので、これ一応褒め言葉になるはず!)
シルエットと後ろ姿も完全にバンコラン。


少々喉の調子が悪いのかな、って感じでたまに声がかすれていたのが心配。
オラオラ系のトート閣下、でもその強引さがなければ、最後にシシィはあんなに甘えられないはず。
オラオラだけでなく、緩急つけて迫ってくるから、常に新しい感じで、あのアップダウンの激しさも、シシィの精神にリンクしている?
シシィが激高するとオラオラ閣下で、怒鳴ったりして少しは落ち着くとドアから丁寧に出ていく礼儀正しい閣下に早変わり!


トータルでは、色々と頑張ってみるけれど、シシィに怒鳴られて結構素直に引いていく閣下がかわいらしゅうございました。
まじで足なげーな!


③ルッキィィィーニ!!!!
色々言われているけど、愛ちゃんルキーニは好き。良かった。


どうもテロリスト役ってすかしたような、何かしら芯があってうんたらかんたら…みたいなのが多いような気がするけれど、愛ちゃんルキーニは、マジキチだった。
「あは、あははは」(ち〇まるこ・山田)に始まり、「アハ、アハハハ、としちゃんだよぉ★」(田原俊彦)を経て、最終的には「グヘ、グヘヘヘ」(稲中・前野)へと進化を遂げなさった。
素肌に蝶ネクタイがまぶしい!
滑舌の悪さは本人も重々承知しているだろうから、それをカバーする演出に持って行ったかな、という感じ。嫌いじゃないぜ!
こんなルキーニを待っていた。精神錯乱のふりをする精神錯乱者。


ただし、ルキーニはエリザベートという劇の解説者でもあるから、やはり初見の人に聴きとれないようではよろしくない。
個人的にはあの声と喋り方は好きだけど、もう少し練習が必要かなとは思う。
来年で男役10年。観客への甘えを払拭すべき時期には来ていると思う。


とはいえ、TOPHATに引き続き変態イタリア紳士だったので、多少舌っ足らずでもまあいいか。
嫌いじゃないぜ!愛月ルキーニ。むしろ大好きだぜ!


つづく


語るべきことが多すぎる。