copepodaのブログ

観劇、スカステ、DVDなどの感想をつづる。

花組:ME AND MY GIRL(酷評)

先々週、東京公演が始まった花組「ME AND MY GIRL」。

再演の再演の再演…という感じでヅカオタに人気の作品ということで、今回も例によって例のごとくチケット難だった模様。

友の会の当たりにくさと宙・雪・星組疲れと花・月への情熱の薄さから、あまりチケット争奪戦に参戦する気が起こらず、どこかから頂けたら…程度で考えていたとこと、知り合いのつてで観劇することとなった。


感想としては「で、なにこれ?」しかない。


この舞台に関わっている人、この劇が大好きな人には非常に申し訳ないが、

2013年夏から見始めた宝塚だが、この数年で最悪の作品であったとしか言えない。


もちろん劇や組と自分との相性があるので一概には言えないが、自分にとって初めての

「金返せ」公演だった。


●脚本の古さは仕方ない。英語のノリをそのまま日本語に変えてぎゃーぎゃー叫んで喚いている感じは好きになれない。これはもう自分が、海外の古いミュージカルが苦手ってことで納得できなくもないのだが、「TOP HAT]、日生「十二夜」はそんなことなかったので、必ずしも言い切れない。


●一切の淀みがなくセリフを聞き取れたが、仙名さんのみ。

他の組にも共通することだけれど、滑舌よ良し悪しとはまた違う聞き取りにくさが顕著。

むしろ劇団の指導に問題?海外ミュージカルではそれが目立ってしまうので、安易に作品に飛びつくべきではないし、飛びつくのなら指導を徹底すべき。あるいは音響を考えるべき。


●ビルって何もしてねぇ…。

そもそもチンピラっていうより、ちょっと知恵が足りてない感じの男だったが、これは今までの公演でもそうだったのだろうか?

最後の「どこ行ってやがったんだ、この野郎!」のセリフを生かすには、単純に考えて、血気盛んで体格の良いチンピラのビルが、反発しながら少しづつ角が取れてきて、ワイルドさを残しながら品を感じさせるようになっていかなければ辻褄が合わない。

また、セリフだけかつてのチンピラに戻ってはいるけれど、最初に来ていたスーツに着替えて出ていくシーンでは貴族然とした立ち居振る舞いが不可欠だし、サリーが身を引く決心をするシーンも、ビルはいつも通りに接しているつもりで同じ行動をしているのに、タイミングが少しずれていることにサリーだけが気が付くというような雰囲気が必要だと思う。

前回月組までのの公演は知らないけれど、少なくとも今回のビルは最後までヘラヘラしてノウタリンでチンピラですらなくて何も身についてなくて(サリーが数か月で身につけられたような内容を)、すべて周りの人におんぶにだっこ。

これが紳士かい?


●キャラが定まらない切り貼りのビル。

登場は早霧ルパンっぽく、全体的な雰囲気は龍さんぽく(月組版ではなく本人の雰囲気、お稽古場の服も龍さん風。)、でも龍さんにある賢さは感じ取れず、「三つ目がとおる」の写楽(絆創膏あり)のようなとろい喋り方。

ビルってスラム街で慕われているチンピラじゃないの?

スラム街で慕われるには、腕っぷしか包容力か頭脳か、その中の最低1つは必要でないの?

もうマイティでいいよ、ビル。ある程度要素そろってるし。



つづく