copepodaのブログ

観劇、スカステ、DVDなどの感想をつづる。

宙組:王妃の館/VIVA FESTA!③

一人ひとりへの感想を語っていても切りがないのはわかっているが
アモナスロ王のおじいさんっぷりがパネェことだけは言わずにいられない。
ところどころアモナスロ王だったけど。
本当のおっさんだった。見た目も声も、振りも、すべて。
奥さん役のきゃのんさん。
超上品なおばあちゃん。足も腰も曲げ方が完全にご老人。ちゃんと同じ位置で曲がっていて、高さがぶれない。


そして安定のすっしー&舞良姐さんは似合いのご夫婦だった。
本当に工場経営して倒産してそう。
地味に、派手なご夫婦なのに存在が陰っていう。



さて、目の前でキラキラしまくっているので問題なしに楽しかったMy初日。
だが、楽しかったのは宙組のことであって、脚本・構成はピンとくるものがない。


期待が大きかった分、花・月の脚本・ショーが良かった分、厳しい見方をしているとは思うけれど、全体的に作りが雑。
お衣装の派手さと組子さんたちの力量で一気にまくしたてるからごまかせている感じ。


劇は上下巻の原作をかなり圧縮したのはわかるのだけれど、その努力はわかるけれど、
あまりに平坦にしすぎかな、と思う。
ディアナとプティ・ルイの出番がなさ過ぎて、ルイ14世の親子に対する思いが伝わらない。
なぜルイ14世が300年もさまよっていたのかが不明すぎる。
(そういえば真風、宙組来てから何百年もさまよいすぎじゃね?ショーではナイフ持ってたし、ナイフも持ちすぎじゃね?)


時間の都合上絡ませるのも回想するのも難しいけど、もうちょっと出てこないと、
最後に急に笑顔で親子対面で唐突すぎる。
原作はしつこすぎたけど、劇はあっさりしすぎ。


例えば、
北白川先生には親子の霊も見えていて、ルイに「ほらあれあれ!」とか言うけど
ルイは「なんだぁ?何もいねーじゃねーか!」みたいなやり取りがあったり、
ディアナとプティ・ルイの幽霊は平然と生活していて、北白川先生の声も姿も
向こうは気が付かないとか、
女性と子供のささやき声が北白川先生には聞こえていて、他のメンバーにも
徐々に聞こえるようになるのに、ルイには聞こえないとか、
ルイとディアナの生前のすれ違いが、幽霊になってからも次元が少しだけずれてしまい、
本当は近くにいるのにお互いに認識できないでいた、ということが
分かりやすいようにしてほしかったかな。


あと、北白川先生が実は普通に悩んでいる普通の人間ってことがわかりやすすぎ。
ルイとけんかしてからセリフが平坦すぎる。
もっと「地獄のミサワ」のルシフェルみたいなセリフで固めてほしかった。


続く